フセイン元大統領、死刑執行。

ついこの前、死刑が確定したばかりで、もう執行とは。誰も彼が、シーア派クルド人の弾圧の罪で死刑になったとは思っていない。アメリカに逆らったからである。自国内の少数民族を弾圧した罪で死刑になるのなら、あの人もこの人も絞首刑にしなければならない。
裁判の形はとっているが、これは明らかに報復だ。東京裁判と同じである。今回はイラクが裁いた形だが、実際はアメリカの影響下にある訳で、誰の目にもアメリカが彼を殺したとしか映らないだろう。スンニ派の反発も必至だ。報復の繰り返しで、何が生まれるのか。
イラクの一件で、”黄昏のパックスアメリカーナ”を感じるようになった。国際社会におけるアメリカ合衆国の地位は低下するのではないか。圧倒的な軍事力を誇っているのだから、すぐにその地位が低下する事は無いだろうが、いずれ今回のような事を繰り返していたら誰も信用しなくなるだろう。その国にすがりつくしか生きる道が無いのが日本だけどね。