田中正明「パール判事の日本無罪論」

パール判事の日本無罪論 (小学館文庫)

パール判事の日本無罪論 (小学館文庫)

 悪名高い”東京裁判”において唯一まともな判決を下したパール判決の入門書。1963年に書かれた本書の内容は現在でも通用する。パール判事が掲げた理想は何一つとして実現されてはいない事を考えると複雑な気分だ。まだまだ東京裁判史観が主流である現在の状況を考えると・・・。

復讐の欲望を満たすために、たんに法律的な手続きを踏んだにすぎないといようなやり方は、国際正義の観念とはおよそ縁遠い。こんな儀式化された復讐は、瞬時の満足感を得るだけのものであって、究極的には後悔をともなうことは必然である。
(「パール判決文」より)

 マッカーサー東京裁判が終わって1年半後、トルーマン大統領に「この裁判は間違いだった」と告白したそうな。