武田知弘「ヒトラーの経済政策」

 少し前に読んだ本です。以前読んだ「ナチスの発明」が面白かったので、手にとりました。「ナチスの発明」の中でも経済政策については書かれているのですが、本書はより細かく解説しています。「ヒトラーの経済政策」というタイトルですが、もちろんヒトラー自身が経済政策を行っていたわけではなく、ヒトラーから経済を任されたヒャルマール・シャハトという財政家のとった政策のお話が中心です。
 シャハトはナチ党員でもないのですが、ドイツを襲ったハイパーインフレを収束させて手腕をかられて、ヒトラーから経済を任されます。シャハトもまた、ヒトラー指導力に魅せられ協力をしていきます。ナチスが戦争を始めるまではケインズも評価したほど巧くいっていたのですが・・・。
 第一次大戦後にドイツが置かれた状況、そしてナチス政権を誕生させた背景などもかいま見れます。
 

ヒトラーの経済政策-世界恐慌からの奇跡的な復興 (祥伝社新書151)

ヒトラーの経済政策-世界恐慌からの奇跡的な復興 (祥伝社新書151)